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VOICE 35. | 2015.December | Taichi Saito

VOICE.35 齊藤 太一(SOLSO architectual plant&farm代表) | Photography by Keiichi Nitta
Text_Viola Kimura

 

 

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小さい頃の夢はなんでしたか? いつこの世界に飛び込んだのでしょうか。

 

「幼いころは宇宙飛行士になりたいと思っていましたが、中学に上がる頃からは、身の回りのものに関心が向くようになりました。グリーン、建築、インテリアなどを観察したり、それらについてじっくり考えを巡らせてみたり。親戚や親父が庭をやっていたので、グリーンは身近な存在でしたね。親戚の手伝いをはじめるようになって、植木屋になるのもいいなと思うようになりました。体を動かしたり、ものを作るといったことは昔からずっと好きでした。18のときに東京に出てきて、それから10年、休み無く寝ないでずっと働いていました。そのうち、買い付けで海外にいくことも多くなって」

 

 

 

海外滞在中はどのように過ごしているんですか。

 

「あまり観光名所には興味が無くて、ひらすらローカルな場所を歩き回っていますね。その土地の町並みを見るようにしています。不思議なことに、植物を知っていると、見知らぬ土地に行っても寂しくないんです。アメリカ、ヨーロッパ、アジア、どこに行っても心細さを感じることはないですね」

 

 

 

お仕事で意識されている姿勢について教えてください。

 

「依頼を受けたからには、人の想像を超えて、150点は取ろう、という気持ちでやっています。意見やものの見方って自分が想像できる範囲から生まれていくるけど、僕らは出来る限り見たことがないものをつくりたいと考えています。だから人が『これがいいんじゃない』って言ったことは、基本やらないんです。白金のビオトープをやったときは、植物を植えられる場所が殆どありませんでした。そこで普通のガーデナーだったらちょっとした草しか植えないと思うんですが、狭い土壌でもまっすぐに伸びていく品種を持ってきて、植え方を工夫して、4mくらいの木を植えました。自分たちならでは技術と知恵をつかってそうしたことを実現していくのが、僕らに与えられた役割だと思っています」

 

 

 

その場に溶け込むグリーンのあり方を体現する一方で、そうした想定外の一面も生み出すのがSOLSOさんらしさなんですね。最近のお仕事についても教えてください。

 

「子どもの遊び場を手がけるようなこともあるんですが、実際に自分の子どもが出来たことで、構想にリアリティが増したし、表現の幅も広がりました。それによってお仕事も増えましたね。保育園の堰堤の設定は海外でもやっています。受けられる範囲でですが、そうやって仕事の領域を広げていきたいです」

 

 

 

今後はどのようにお仕事されていきたいですか。

 

「植物とおなじく、自然でいられればいいなと思っています。やりたいことは全部やらせていただいていて、余計なことを考えるひまがないくらいエキサイティングです。毎日がドラマティックで、こうした働き方をさせていただけて、感謝のきもちでいっぱいです。植物屋として、その時々に担当させていただく場所の可能性を、無限大に持っていければ、と思っています」

 

 

 

“Christmas Forest”
Christmas Installation by Solso
日時:2015年12月14日(月)〜25日(金)
場所:丸の内ハウス ライブラリーほか

 

 

 

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齊藤 太一(さいとう たいち)
SOLSO architectual plant&farm代表、ガーデナー。高校時代より造園、野菜生産、山野草の採取などを独学で学ぶ。2011年にSOLSO architectual plant&farmを設立する。2012年9月に白金台にBIOTOP NURESERIESをオープン。個人邸宅やオフィス、商業施設のディレクションやプロデュースなど、幅広い分野で活躍中。

 

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