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VOICE 31. | 2015.July | Ako Tanaka

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Text_Viola Kimura

 

 

 

今回のゲストは『Numéro TOKYO』編集長の田中杏子さん。ミラノでファッションを学び、スタイリスト、ファッション・エディターとして活躍したのち帰国。東京でスタイリストとしてキャリアを開拓し、2007年に『Numéro TOKYO』を創刊、現職に。同時に出産も経験。東京の街は彼女の目にどう映り、誌面にどのように切り取られているのか。彼女にとって、ファッションとは? 今回は、母親としての表情も見せてくれた。彼女の子育てとキャリアに対する考えについても、話を聞いた。

 

 

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丸の内の街にどんな印象をお持ちですか?

 

「品行方正なイメージがありますよね。ステーションホテルが新しくなったり、仲通りに面白いお店がオープンしていてることもあって、文化の発信地になりつつあるのを感じています。丸の内ハウスは、何度かイベントでご一緒させていただいていて、個人的に遊びに行ったりもしています。夜遊びができるって、やっぱりいいですよね。あそこって朝までいられるじゃないですか。若い人たちも含め、大人がどきどきしながら遊べる場所ですよね」

 

 

 

海外出張後、羽田空港から都内に戻ってくるときの眺めがお好き、と聞いたことがあるのですが。

 

「はい、レインボーブリッジを渡る前に見える、東京の街並みが好きで。乱立しているビルのなかに、ものすごいたくさんの文化の発信地があって、新しいムーブメントが起きていたり、伝統の奥ゆかしい部分が存在している。わーっとビルが集まっている街の細部にわたって、色んなものが起こっているのを感じます」

 

 

 

東京のファッションやカルチャーをどのように捉えていますか?

 

「個のスタイルが重要視される海外に対して、ひとつのものが色んな人の注目を浴びてブームになる現象は東京ならではだなと思います。日本人ってあるものについて『次に誰かがこれをひっくり返したものが実は面白いんだよ』って言い出したり、『いやいやこれを土台の上に乗せたものが新しい』とか言って、次々と新しい価値を見せていくのが得意。私たち独特の、ものを生んで編集していく能力から生まれているんですよね。それはすごく早くて、面白いし、特別な部分だなと思います」

 

 

 

そういった東京の側面を『Numéro TOKYO』ではどのように取り上げているんでしょうか。

 

「立ち上げのころから決めていたのは、Numéro『TOKYO』なのであり、『日本発信』で海外に向けて出していきたいということ。インターナショナルマガジンの多くは、欧米のスタイルを日本の読者に紹介するっていう姿勢ですよね。私たちは日本の、あるいは東京のカルチャーを海外に向けて発信するっていうスタンスにしようと思ったんです。外国の人が、今の日本って何が流行ってるのって言ったときに、『Numéro TOKYO』を見ればわかるよ、っていう位置づけになりたいなと。」

 

 

 

創刊して8年とのことですが、今はどのようなタームとお考えですか?

 

「どういう立ち位置の雑誌かっていうのは見つかった気がしています。明らかに一般的に売れていく雑誌ではない、ということも。そこを狙ってきたわけじゃないし、私はマスに向けて売れるものづくりができるタイプじゃないですしね。コアな人たちに向けてつくりたいと思っていて、そういうところにリーチができているというのは何となく実感しています。『この春何着る?』『この服どう着回す?』というように、『アイテムとしてのファッション』がよく雑誌で言われていますよね。それもすごく必要で、大切な情報なんですけど、Numéro TOKYOが提案するファッションは『スタイルそのもの』なんですよ。「どう着るといい」ということだけではなくて、自分がどういう女性になりたいのか。自分の人生や生活にどんなシーンがあって、どうやって向き合っていきたいのか。食やライフスタイルといった要素のひとつにファッションがあるわけで。そういう風にファッションを捉えられる女性がもっと増えるといいのにな、というのはすごく思うところです」

 

 

 

そのお考えは誌面の構成にも表れていますね。

 

「私たちはファッションアイテムの情報を並べるんじゃなくて、どんな場所でどういう時間を過ごすの? っていうことをページにしています。例えばニット帽をかぶるシーンが自分の時間軸にあっていいのかな、みたいな。どうせ美術館へいくならおしゃれしていきましょうよ、という企画をしたり。ファッションの情報はほかのファッション雑誌より明らかに少ない。でもそういう情報って全部ネットで取り入れられる時代ですからね。
『Numéro TOKYO』としてはどういう女性として自分の人生を描きますか、っていうことを考えてやっています。すべての答えを用意しないで、想像をかき立てる、その先は自分でイメージを膨らませる。欧米の雑誌のスタイルに近いんですよね」

 

 

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