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PEACEFUL JOURNEY TALK
久保光博(GR8)と岡沢高宏が企んだ、新しい「PEACEFUL JOURNEY」の形

Text_Kana Yoshioka

 

 

丸の内からファッショントレンドを発信することを目的に、4つの名だたるセレクトショップと、丸の内ハウスが行うコラボレーションイベント「PEACEFUL JOURNEY」。昨年行われた第11回目のイベントでは、原宿の人気セレクトショップ「GR8」のオーナーである久保光博氏をキュレーターに迎え、ロサンゼルスよりオリジナルのドゥーラグを手掛ける、RAGS WORLDWIDE(ラグス・ワールドワイド)のDurag Dev(ドゥーラグ・デヴ)や、ブランドREVENGEをプロデュースするGarette(ギャレット)などの新鋭若手アーティストたちを招き、これまでとは異なるスタイルでイベントを開催した。SNS関連で驚くほど人気を呼んでいる20代前半の彼らが、これまでのストリートカルチャーの歴史を受け継ぎ、新しい手法で打ち出すファッションセオリー。新世代が打ち出す新しい価値観を共有できる内容となった。そこでイベントを振り返り、GR8の久保光博氏と「PEACEFUL JOURNEY」オーガナイザーの岡沢高宏氏に話を聴いてみた。

 

 

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— 久保さんがRAGS WORLDWIDEのDEVの知り合いだったことから、イベントが成立したと思うのですが、DEVはどんな人物なのでしょうか?

 

久保光博(GR8):RAGS WORLDWIDEのDEVは23歳なんですよ。まだ若い。ラスベガス出身で、日本に6カ月くらい留学をしていたことがあるそうなんです。日本の文化が好きで、一見怖そうなのでファッション業界にいるとやんちゃしそうに見えるんですけどもの凄くいい子で。DEVとは、僕がプロデュースしていたセレクトショップに彼が遊びに来てくれて知ったんです。今から2年くらい前のことなんですけど、その時に自分が作ったものを「GR8」で取り扱って欲しいと言ってきたんです。そのときに持ってきたのがドゥーラグだったんですけど、初めて観たときに「これブートじゃん!」と(笑)。よくある話なんですけど、店に置いてくれとアメリカ人が持ってくるものは、たいていブートものが多いんです。こちらとしては、店に置けないので「このドゥーラグはうちの店では置けない」と話をしていたんです。 PEACEFUL JOURNEY TALK その後もロスへ行く度に彼を色々なところで見かけていたんですけど、何故僕が彼を見る目が変わったのかというと、時間が経ってわかったことが、2年前に作ったドゥーラグと、今やっていることが徹底して変わっていないことだったんです。DEVはラスベガス出身で、10代のときに何もやることがない生活を送っていた中で、自分がリスペクトをする散髪屋=バーバーに毎週通っていたそうなんです。そのバーバーに集まる年上の人たちにあらゆることを叩き込まれ、いろいろなことを教わっていくうちに、アメリカ人としての自分たちのルーツを守らなくてはいけないと思い、じゃあそこで自分が何ができるのかと考え作ったのがドゥーラグだったんですよ。ドゥーラグが好きだということもあるでしょうけど、ドゥーラグは彼のルーツとなる文化で、それを証明したかった。そんなDEVのやっていることが良かったからなのか、「PAPER」マガジンでTravis Scottが彼のドゥーラグを表紙で巻いて、それを観た西海岸のラッパーが巻き始めたんです。

 

PEACEFUL JOURNEY TALK

 

 

— アーティストの人たちも納得したものでないと、簡単には身につけないと思うので、DEVが作るドゥーラグはブートだとしても受け入れたということですね。

 

久保:認められたんですよね。それを観て、僕の中で怪しいヤツから印象が変わったんです。GUCCIの柄は、’90年代から2000年にかけてサンバイザーだったり、でっかいジャケットに柄を使ったりしてヒップホップの人たちはみんな流行っていたんですよ。それをヒントに、DEVはドゥーラグに行き着いたんです。周りもブランドがあのドゥーラグをカルチャーのひとつとして認めたんですよ。だけど、僕たちはやはり店には置けない。そこで思い付いたのがバーバーショップとコラボレーションをして、1日バーバーショップをやって、そこに来てくれたお客さんが髪を切るときにドゥーラグを前掛けにして、そして髪を切った人にドゥーラグをあげるという案だったんです。これはいい案だ! と、じゃあ実際にどこでやろうか、という話になったときにちょうど岡沢さんから「PEACEFUL JOURNEY」の話がきたんです。

 

 

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— GR8は原宿にあるし、丸の内でこのイベントをやったことが面白いなと思いました。

 

久保:最初はこの企画をGR8や、原宿や渋谷の他の場所でやってみてもいいなとは思っていたんですけど、もう少し違う場所でやってみたいなとも思っていたんです。そこに岡沢さんが、これまで「PEACEFUL JOURNEY」を10回ほどやってきたんだけど、そろそろ違う何かをやってみたいと。それで丸の内でやってみようと思ったんです。コンサバな丸の内だし少し無謀な計画ではあったんですけど、良いエキシヴィションができて、価値観を伝えることができたらいいなと思っていたんです。東京駅の目の前でドゥーラグを巻くってのも良いんじゃないかと。

 

岡沢高宏:PEACEFUL JOURNEY」としては、ライブラリーで催しものを行って、そこで新しい形でカルチャーを体験してもらいたいなと思ったんです。そこでライブラリーでは「WLT CUT CLUB」(WILD LIFE TAILORのヘアサロン)に参加してもらい、実際にバーバーイベントをやってもらいました。

 

 

 

— 岡沢さんは、久保さんからこの提案があったときはどう思いましたか?

 

PEACEFUL JOURNEY TALK岡沢:面白いと思いました。DEVを始めブランドの「REVENGE」だとか、1番自分が感心があったのは、僕とは20歳くらい違う20代前半の人たちが、どんなことをしているのかということだったんです。それを実際に観たかったというのもあるし、空間で紹介をしてみたかった。通常、この類いのイベントは若い人たちが集まる渋谷や原宿なんかでやるのが当たり前なのかもしれないけど、それを丸の内という日本のビジネスパーソンの中心地で、彼らみたいな人たちが何かをやるということが面白いし、大事なことなんじゃないかなと思ったんです。

 

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久保:これから2020年にかけて、日本に海外から人がもっとやって来るようになると思うんです。丸の内ハウスは山本宇一さんがプロデュースしたお洒落な空間で、個性的なレストランが9店舗もあるし、この空間で何かをやることによって、海外の人たちにも後々繋がればいいなと。渋谷や原宿へくる海外の若い人たちが、丸の内という場所で何か経験できるような。

 

岡沢:なので久保くんが自分たちのところでできることを、ここ(丸の内ハウス)でやることを提案してくれたことは凄く嬉しかったですね。僕としては、若い人たちの間で人気のブランドのクリエイションを、イベントを通じて生で感じれたことが重要でした。

 

久保:だから今回は、DEVの友達のREVENGEというロサンゼルスのインディペンデントブランドも呼んだんです。そもそもREVENGEは、コンタクトがとれないブランドで有名で、僕らも何度も彼らにメールをしていたんですけど、返答が戻ってこないことが多かったんです。それを、DEVが繋げてくれたんですよ。それで日本用にと特別にアイテムを作ってくれて販売をしたんですよ。当日は、RAGS WORLDWIDEのドゥーラグだけでなく、REVENGEをめがけてくる人もいましたからね。

 

 

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